竹林の屋敷

当ブログでは日本語が使用される。

【大学】”普通の”サークル、宗教サークルよりよっぽど悪徳宗教じゃないか?

私の友達にSというのがいる。地方の医科大学に通う大学生である。ハンドボールのサークルに加入している。

 

夕食の場でSがこんなことを言っていた。

ハンドボール部での活動があまり面白く感じなくなってきて、ほかにやりたいこともあるし、部から抜けたいと先輩に相談したが、熱烈に、感情に訴えかける引き留めをされて辞めるに辞めれんかった」とまぁこういった具合である。

 

大学でサークル的なことにあまり関せずやってきていた私は2つの点で驚いた。

一つは、大学のサークルはもっと自由に人が出入りできるものではないのか、という点。

もう一つは、Sよ、なぜそこで素直にサークルに残っているのだ、という点である。

 

驚きを解消しようと、さらに話を聞いた。

 

Sによると、彼の大学ではハンドボール部に限らず部員の引き留め活動はよく行われていて、実際、辞めにくい雰囲気があるらしい。地方の医科大学で学生数が少ないという事情も影響しているのかもしれない。学生数が少ないから、一人減るだけでもサークルの運営が難しくなるのだろう。また、辞める側にしても、大学の規模が小さく村社会的であるから、一度離反すると元居たサークルの人とは勿論、全般的に人付き合いの面で不利を生じるらしい。

 

引き留める側の先輩はそういう事情を分かっていて、「君がいないとサークルが破たんしてしまう。大切な存在なんだ。どうか残ってくれ仲間じゃないか」とかいうことを言ってくるわけだ。仮にもサークル活動を共にしてきたわけだから、そう言われると辞めにくいのも無理はないのかね、と思った。

 

加えて、「今面白くなくても続けていれば何か得るものがあるし、卒業するときに達成感がある。やめてしまうと大学生活に張り合いがないよ」とかもっともらしい追い打ちが来るようである。つまるところ「サークルのために残ってほしいというだけじゃなく、君のためを思ってるからこそ、残ってほしいんだ」といった具合で、綺麗に外濠が埋められてしまっている。こうなってしまえば完全に辞めるほうが悪者である。

 

ここまで聞いて当初の驚きはだいぶ解消されたが、納得はしても違和感はぬぐえない。一生懸命引き留めて、辞めるとよくないことになると脅して、辞めるにやめれない。こんなもん、ほとんど宗教サークルじゃないか。

 

辞めてしまうと大学生活が不幸になる。活動していれば日々が輝かしいものになる、などと説得して、それでもええいと辞めてみれば、あいつは途中で投げ出したなどと後ろ指を指されるという具合だ。学生としては疑問を胸に抱きつつ活動を続けるしかない。これは宗教団体でなく、大学の”普通の”サークルで行われていることである。私には、投げ出すと神様の罰が下される~とか、活動してれば神のご加護が~とかと同じ次元に見えるが、どうだろうか。おまけにお布施(部費・大会への参加費・新歓でのおごり費)もあると来ている。

 

さらに言えば、彼らは自分たちが宗教的なことをしているという意識に乏しい。実際のところ、本当の宗教団体は、「これは世の中に人たちからすれば相容れないところもある」と認識した上で活動している場合も多いし、こちらが「合わないな」となれば割と簡単に解放してくれる。タイトルを悪徳宗教としたのはそのためで、宗教サークルはしっかり客観視して平和的に活動しているところもある一方、”普通の”サークルは、ほとんどが盲目的な正義感で押しつけがましく活動しているから、タチが悪いのだ。

 

これを私はサーハラと名付けようと思う。砂漠のことではない。サークルハラスメントの略である。

 

Sの話は地方の医科大学という特殊事情によるものも多分にあるとは思うが、他大学でもサーハラに苦しんでいる学生は結構多いのでは? と思う。なぜなら、非常に私的な感想だが、どう見てもクソめんどくさいのにサークルを大学生活の主に据えている学生がやけに多いからである。サーハラがなければサークルを辞めてもっと自主的な活動をする学生が増えると思われる。確たる根拠はないが。私が人間関係の面で少し拗らせすぎていて、存外みんな楽しくやっているのかもしれんが。

 

最後に解決策的なことを書いて締めとしたいと思うが、「つまんないならさっさと辞めろ」としか言いようがない。同時に引き留める側の人たちも違和感を覚えているべきだろう。そもそもサークルというのは、面白いと思うものが似通った人たちが自然に集まって自然になんやかんやするものであって、強制力なんてものはあってはならんのである。団体を継続させたいなら、構成員に働きかけるのでなく活動内容を向上させることを考えるのがあるべき姿だ。いやなことに耐えて耐えて最後に達成感を得るなんてのは大学まで来てやることではなくて、中高の部活ぐらいでやることだろう。

 

大学生諸氏にはサークル活動に関して今一度考え直すことをお勧めしたい。